本日二度目のこんばんは、附木です。
今回は昨日最終回を迎えた作品、「鈍色幻影マンション209号室」についてお話ししたいと思います。
1.あらすじ
営業マンとして働いていた霧島哲也は、突如として心の病に陥った。身体がだるく上手く動かせないようになり、傷病休暇に入ってもう二カ月がたつ。 哲也は、それ以前からある問題に悩まされていた。それは、眠りの中でのみ相まみえる幽霊マンション。今は無き、以前の住処だった場所だ。
これは「引きずり込まれていく——」のキャッチコピーと共にカクヨムに掲載していたあらすじです。
哲也は営業マンとして健在なころに妻子、みやこと菜々の二人を転落事故で失います。その精神的ショックから精神面での健康を損ない仕事が安定してできなくなり、休職。
その頃から、眠ると以前妻と住んでいた——妻子を亡くした——マンションが夢に出るようになった。その夢の意味とは。何を伝えたいのか。霧島哲也を巡る命繋がる物語。
2.登場人物
次に登場人物の説明に入ります!
霧島哲也
医薬品関係の会社で働く営業マン。その成績は佐々木景人と並び一二を争う実力。バリバリに働き稼いでいたものの、妻子の事故から一変仕事がままならなくなる。
愛妻家として有名、毎日定時退社をきっちり守るスケジュール管理も徹底している男。
霧島みやこ
霧島哲也の妻。結婚してからすぐに身ごもったこともあり主婦へ。さばさばした性格で自分に厳しい。マンションの階段から何者かにぶつかられ転落、子どもともども死亡。
霧島菜々
哲也とみやこの子ども。もうすぐ出産という時にみやこと共に死亡。遊ばせる予定だったウサギのぬいぐるみと共に荼毘に付される。
佐々木景人
霧島の会社での二年下の後輩。明るく同期の猪端と遊んでいるとよく勘違いされる。真面目ながら不器用な性格。最近彼女ができて有頂天。詳しくは「金雀枝珈琲店」へ。
篠崎優紀
霧島の隣のベッドに入院している交通事故患者。腕や足を複雑骨折している。沢庵が好き。気の利く女性で、霧島を見かねて色々と手伝ってあげたりしている。詳しくは「異世界転生~社畜、バカンスに行く~」へ。
持田くん
左折するトラックにより事故に巻き込まれ入院。容体が悪かったため長期入院していた。病室の三人のなかでは最古参。小学生、十歳。篠崎の正面、霧島の斜め向かいのベッドに入っている。詳しくは「異世界転生~社畜、バカンスに行く~」へ。
恩田先生
同病室の篠崎、持田くん、霧島を見る主治医。まだ若いながらも腕のいい医者。篠崎の見舞い品の沢庵に振り回されてからメンタルが強くなった。詳しくは「異世界転生~社畜、バカンスに行く~」へ。
藤木万桜
佐々木景人の彼女で、ドラッグストア勤務の登録販売者。真面目で勤勉、知識量が物凄いというのは佐々木の評。それに違わず熱中症対応において素早い手当てを施した。詳しくは「金雀枝珈琲店」へ。
芳賀さん
藤木万桜と同じ店舗に勤めるビューティアドバイザー。色々な経験が豊富で誰からも頼られる姉御的存在。詳しくは「金雀枝珈琲店」へ。
幹
熱中症でふらふらしながら頑張って買い出しに向かうところだった女性。双子の姉妹を女手一つで育てている。
みやこ・菜々
幹の子どもで、双子の姉妹。
3.テーマ
この作品のテーマはずばり、「命にまつわるそれぞれ」。
出会いがあれば別れもある。乗り越えられる人はいいけど乗り越えられない悲しみを受けた人間に救いはあるのか。という所から始まったお話でした。
妻子を突然失い、立ち直れず、仕事に復帰もできずにただ悲嘆にくれる哲也。そういう人間に対して、よく「そんなんじゃ〇〇が心配するよ」って慰めの言葉を聞きますよね。そこから派生させてみました。
もし、今は亡き最愛の人との別れに猶予が貰えたならば。もし、四十九日間夢の中ででも会うことができたなら。それって惨くもあり救いでもあり……。それでもその悲しみを乗り越えるなにかになれるんじゃないだろうかと思っています。
4.まとめ
以上、昨日完結した「鈍色幻影マンション209号室」のご紹介でした。
良かったらもう一気読みできるようになっているのでこちらからどうぞ☟☟☟
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