こんばんは附木です! 今日は今週のお題「怖い話」で書いていきます。
昔ちょっと体験したことを、語ってみようと思います。
お盆の熱
それはまだ私が小学生のころ。
お盆の時期には遠くにある父の実家まで帰省をしておりました。
毎年の恒例でその年もいつも通りに祖父母の家へ。
すると、元気いっぱいだったのに、祖父母宅へ着いた途端に38度超えの発熱が。
あわてて病院へ行き、解熱剤を貰いました。
前触れのような不調もなく突然の発熱。いぶかしみながらも、養生をすることに。
だっておかしいですよね。
のどが痛いとが、気怠いとか、そういう症状があるのが普通じゃないですか。
そうした症状もなしに、その時は到着して1,2時間で発熱が起きたんです。
暑いなか、布団をかぶらされ昼間はぐっすり眠って回復に勤めました。
異変が起きたのはその日の晩。
私たち家族が泊まった部屋は、居間の隣。居間を挟んでは、仏間がありました。
流石にこの時期ですから、暑いので扉は開け放しておいたのです。
不思議とぱちりと目が覚めて、ぼんやりしていました。
そうしていると、居間に人影があるのに気が付きました。
髪が長く、白い着物を着た女性。
そのときは、親戚も多く泊まっていましたから「誰かあんなひと、いたっけ」などと考えていました。
不思議とその女性は仏間方向へ向かってぼうっと立って動きません。
何をしているんだろうと思ってみていると、ゆっくり首だけを動かしてこちらに振り向こうとしています。
ふいにぞっとして、目が合う寸前で顔を逸らしました。
よくホラーであるような「隣の両親を叩き起こす」なんてできなくて、物音を立てたら終わり、起きているのがばれたら終わり、と思いました。
翌朝、目を覚ました私は母に問いました。
着物を着た人って誰、と。
曰く、「そんな人泊まってない。幻覚でもみたんじゃないか」
あの女性は帰ってきたご先祖様だったのでしょうか。それとも……
おわりに
お盆の季節になるといつもこの女性のことを思い出します。
しかし、明治期以降の遺影を見ても、印象ですが、一致しそうな方はいなかったんです。
いやぁ、不思議、不思議。